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亜細亜的快適就職日記17
   
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チェンマイ 
サンデーマーケット




































チェンマイ 
クフロエット市場界隈















     お相撲さんと急性盲腸     ไม่เป็นไร


原油高、バイオ燃料価格高騰に依り、弊社と言わず
製粉業界にも原料高のしわ寄せが来ていて、各社に、
値上げのお願いをせざるを得ない状況になって来た。


ただ、それが全部悪い方向に出ているわけではなく、
コンペッティターの欧州の会社が中国の日系食品加工会社に
大幅な値上げを敢行した為に、弊社に大口の仕事が回って来た。


急遽、H氏は中国へ出張へ行く事になった。

中国の国旗

まあ、こんな時は何もなければいいのだがと思ったが、
何と一番のお得意先のOY社の若社長が値上げに対して
不満の事で、バンコクにネゴしに来るとの事、、、
それも、突然のアポどころではない、バンコクに既に
来ているのだ、、、


専務もH氏と、OY社の相談役のファックスで洗脳されたのか
若社長の事を少なくとも余りいい印象は抱いていないようだ。


当日、若社長は専務と、近くのホテルでのレストランにて
待ち合わせ。の筈が、、、

タイの写真

二人の伝言は、すべて私が引き継いだが、その当日、
一向に専務が現れないのだ。また、社長も来ない。


11時30分のビジネスランチの時間が刻々と近付いてくる。


そんな時に限って、オーダーやクレームがバンバン入ってくる。


こんな時、ひとりで悩んだり、勝手に想像するのは
良くないと思って、タバコを吸いに、工場の
テクニカルアドバイザーのT先生の所へ何かとアドバイスを
貰えるかもしれないと思いT先生専用の部屋をノックした。

タイの写真

タイ社会は、噂が早いのだ。
「若社長いらっしゃるのに、社長も専務も来てないんだって、、、
Hさんは中国へ出張へ行ってるし、本当、まずいなあ。
商社マンだったら、あんたの方が話しても問題ない思うだけど、
OY社は弊社創立時からの付き合いがあるし、
その上、売上が年々落ちているとは言え、矢張り、一番の顧客だ。」


相談に行ったつもりが余計プレッシャーを与えられる。
フーとため息が出そうなその瞬間、
「まして、業界では若社長のわがままぶりは有名だし、
それで以って子供なんだろう。専務もHさんもいないと
相当まずいな、、、」


まあ、私が一人で行ったところでビジネスランチも
料金の話はしないだろうし、怒鳴りつけられてナンボやけど、
然しながら、社長や専務の顔を立てんといかんしなあ、、、

バンコクの写真

こんな時にビビってはいけないのだ。と思ったとき、
社長から内線電話が入ってきた。
「直ぐ、上に上がってきてください。」


社長「困ったなあ。専務がお腹の調子が悪くて、
入院の可能性が大で、メスを入れなくちゃいけないのだ。」
私「それって、盲腸ですか?」
社長「そうだ、それだ。盲腸だ。」


そう話していると、時間がもうない状態。
秘書は、社用車の手配をしているので、直ぐに乗車を
との事で、その後、そのフォローをどうすればいいのかを
聞く間もなく、車で15分ほどのホテルの中のレストランへ、、、

バンコクの写真

噂で聞いていた通り、若社長は長身の可なりの男前で、
直ぐに解った。


レストランのボーイさんに席を案内してもらい、
座るやいなや「専務は?」


来ていないと察しての通り、キレる一歩前の顔をしている。


私「急性盲腸で今朝、病院へ入院したのです。」
若社長「じゃあ、直ぐに私はお見舞いに行きたいのですが、、、
(一本気な性格な故に)」
私「(まずい、社長のあの様子では、盲腸と言う言葉が
一番適切な口実だと云わんばかりの顔をしていた)
えっ、ただ、T社長ご存知の様に、専務はあの体で、
0.1トン程体重があるもんですから、、、、
お相撲さんの急性盲腸し手術で命を落とした力士も
いるぐらいで、結構、病院からナーバスな報告を受けて
いまして、、、」

バンコクの写真

噂、いや実際電話で怒鳴りつけられる事があっても、
そんなに悪くない人だと思ったのと、田舎の商売の浮き沈みで
人間の善と悪を少しばかりであるが子供の時に、
無意識に学習してきた事もあり、「この人もナンバーワンを
父親の時代から引き継いで、周りから脚を引っ張られている
部分もあるんだろうなあ」と感じた。


私には20年以上も続くお得意さんのお相手をする力量もなく、
ただ、笑い話をしたり、若社長の中国留学時代の思い出話を
聞いてあげる事ぐらいしか出来なかった。


若社長との共通点が中国と言う事が幸いしたのか、
中国ほど嫌な所はないと思っていた時、いつも日本人の
スケールではスペック外の本当に人間性に溢れた中国人と
知り合って結局のところ、中国の事を思うと
懐かしくなってしまう等と言って幾らか話も咲いた。

中国 二胡

が、ワンマン上にお父様の時代と今では時代が違うだけに、
損する部分も多いのだなあとも映った。


その後、「料金」「新製品」の話をして、
「これ、日本人の皆さんで読んでください。」
紙袋2袋に100冊は入っていると思われる古本を頂いた。


ホテルの玄関まで送ると、「ここでいいでですよ。」と
言って別れたが、その姿はどこか寂し気で、ただ車の中には
きれいな女性が乗っていた。

曼谷的照片

会社に帰り、弊社の社長に報告すると、ビジネスランチの
会話の内容を報告し、若社長の宿泊ホテルに今晩でも挨拶に
行くのでと言って、携帯に連絡をされた。


次の日、会社に行くと、秘書やパッキングのマネージャーに、
「専務は1週間ぐらいの入院?」と訪ねたところ、
「(笑いたい気持ちを抑えながら)その内、来るよ。」
みたいな感じで、ひたすら笑いをこらえるのだ、、、


丁度、中国出張中のH氏から電話があり、
一部始終話していると、「大変だったなあ。本当、
何もなくて良かったよ。ところで、本当に、専務は盲腸なの?」

operation

「いや、解らないんですけど、社長と話している
最中にそれは、盲腸ですか?と聞いたら、勝手に
盲腸と言う病名になったんですわ。」


何か視線を感じるなあと思ったら、専務が傍にいて、
バツが悪そうな顔をしている。


「いや、何か今日、もう退院されたみたいですよ。」

バンコクの写真

貫禄のある専務も自分の事が言われているのに気付いたのか、
0.1トン、つまり100キロの大きな身体が一瞬にして消え去った。


「Hさん、専務気付いたみたい。消えちゃったよ。」


H氏が電話口で笑い転げているのが、解った。

お相撲さん

「そうだよなあ。そんなお相撲さんの様な体系で、
盲腸切って翌日退院出来ないよなあ、、、」


タイでは、急性盲腸が2日で退院出来る様です、、、、